仏像展@東京国立博物館

国立博物館

国立博物館の特別展『仏像-一木にこめられた祈り』を見てきました。
今回は一木彫の仏像だけの展示。
一木彫とは一本の木材からできるだけ像の主要部分を掘り出す技法。
8世紀後半から9世紀前半にはこの一木彫で多数の仏像が作られたらしい。
メインの「国宝 十一面観音菩薩立像」は言葉にできないくらいすばらしかった。
なんていうんだろ?像の存在感が他のと比べても圧巻。
展示方法の違いもあるんだろうけどね。
他にはあんま見たことないような像がいっぱいあって面白かった。
一木彫だとやっぱ立像が多くなるのかな?坐像はあんまりなかったね。
そして、もともと入ってきたのが十一面観音だったということから多く作られたとのことで、
十一面観音だらけ。いつもよくみる大日如来だの弥勒菩薩だのがほとんどいなかった。
「鉈彫」から「円空・木喰」もおもしろかったなぁ。
木彫りの仏像はひび割れ防止のために像の中をくりぬく「内ぐり」というのをするのだが、
「鉈彫」の仏像は表面にノミ目を残して彫ることによりひび割れを防いだんだそうな。
像の表面が北海道のクマの置物みたいにぼこぼこなの。
関東から東北に見られる手法なんだって。
顔と躯の部分ではノミの大きさを変えていて、目の粗さが違ったりしてて。
円空の像はすごく素朴。アイヌの人形の顔みたい。
トーテムポールみたいな十一面観音が印象的。
木喰の像はみんな笑ってるの。見てるだけでつられて笑顔になっちゃうようなお顔なの。
いいな、こゆ像。
この人、60歳から仏像彫り始めて、9x才で亡くなるまで2000体近く彫ったそうな。
すごい量だなぁと。その割りに結構細かいんだよね。


下の階でやってた「一木彫ができるまで」の展示も面白かった。
木から像が掘り出されるまでの手順の紹介のほかに使われてる木の紹介もあったり。
インドで白檀で作ってたのが中国では代用の木「栢木」で作られるようになり、
日本では「カヤ」や「クヌギ」なんかが使われるようになったとか。
同じ大きさにきった木の重さが書いてあって、比べられるようになってるのも面白い。
木のニオイも少しずつ違うんだよね。なんてのがわかったのもおもしろかった。